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東京都の卵子凍結助成金とは?対象・金額・申請の流れを解説

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東京都の卵子凍結助成金とは?対象・金額・申請の流れを解説

この記事を書いたのは

金 南孝 院長
金 南孝 院長
東京ウィメンズクリニック 院長

医学博士、日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、日本生殖医学会認定 生殖医療専門医・指導医、母体保護法指定医、検診マンモグラフィ読影認定医師、乳がん検診超音波検査実施・判定医師

はじめに

将来の妊娠に備えて卵子凍結を検討するとき、費用だけでなく、「何歳まで対象か」「説明会の前に受診してよいか」「どの医療機関でも利用できるか」が気になる方は多いでしょう。東京都は、加齢などによる妊娠機能の低下を懸念して行う卵子凍結を対象に、費用の一部を助成しています。ただし、原則として説明会 → 事業への協力申請 → 承認決定 → 登録医療機関での医療行為という順番を守る必要があります。

この記事のポイント

  • ✓対象は、採卵日に18歳以上40歳未満で、所定期間中に東京都内へ継続して住民登録している女性
  • ✓卵子凍結を実施した年度は上限20万円、翌年度以降は保管に関する調査回答で年度ごとに一律2万円(2028年度まで)
  • ✓原則として、東京都の説明会参加と協力承認決定を受けてから、登録医療機関で医療行為を開始する
結論

東京都の卵子凍結助成を利用するには、クリニックへ先に予約するだけではなく、東京都が定める手続きを順番に進める必要があります。特に39歳の方は、説明会、承認、月経周期に合わせた検査・投薬、採卵までの期間を考慮し、早めに確認してください。なお、卵子凍結は将来の妊娠・出産を保証するものではないため、助成金の有無だけで決めず、年齢、卵巣予備能、採卵の負担、保管・使用時の費用まで医師と相談することが大切です。

東京都の卵子凍結助成の概要

東京都の「卵子凍結への支援に向けた調査事業」は、加齢などによる妊娠機能の低下を懸念する方が行う未受精卵子の凍結に対し、費用を助成する制度です。単なる給付制度ではなく、卵子凍結後の保管状況などについて継続的な調査へ協力することが要件になっています。

医学的な理由で妊孕性を温存する若年がん患者等には別の助成制度があります。また、すでに不妊症と診断され、不妊治療を目的として採卵・卵子凍結を行う場合は、この社会的卵子凍結の助成対象ではありません。

対象者と対象外になる場合

主な対象要件

  • ✓採卵を実施した日に18歳以上40歳未満の女性であること
  • ✓説明会の参加申込日から助成金の申請日まで、継続して東京都内に住民登録していること
  • ✓東京都の説明会に参加し、調査事業への協力承認を受けること
  • ✓登録医療機関で実施すること

婚姻の有無は問われません。

対象外になりやすいケース

  • ×説明会・協力承認より前に医療行為を開始した場合
  • ×登録前の医療機関で実施した場合
  • ×説明会参加日から1年を超えて医療行為を開始した場合

このほか、凍結卵子の売買・譲渡、第三者への提供、海外移送を行わないこと、将来凍結卵子を用いる際の条件などへの同意が必要です。

詳細な要件は年度中に更新されることがあります。説明会資料と東京都の最新ページを必ずご確認ください。

助成額と2026年度に凍結した場合の考え方

時期 助成額 条件
卵子凍結を実施した年度 上限20万円 対象費用に基づく
翌年度以降(2028年度まで) 年度ごとに一律2万円 保管に関する調査へ回答した年度

2026年度に凍結した場合の計算例

初年度の上限20万円に加え、2027年度と2028年度にそれぞれ要件を満たして調査へ回答すれば、現行案内上は合計最大24万円となる計算です。

「最大30万円」という説明について

  • ●2023年度に凍結し、5年間すべての調査に回答するケースを基にした金額です
  • ●2026年度に新たに凍結する方へ、そのまま当てはまるわけではありません

助成額は実際に支払った対象費用を超えません。採卵数や刺激方法によって医療費は変わり、上限を超える費用、将来卵子を融解して受精・移植する費用、保管料の全額が自動的にカバーされるわけではありません。

申請から助成までの流れ

1説明会へ申し込み、参加する
東京都が実施する卵子凍結の説明会です
2調査事業への協力申請を行う
説明会参加後に申請します
3協力承認決定通知書を受け取る
東京都から交付されます
4登録医療機関を選び、医療行為を開始する
説明会参加日から1年以内に開始する必要があります
5検査・排卵誘発・採卵・凍結を行う
月経周期に合わせて進みます
6証明書を依頼し、調査へ回答して申請する
医療機関へ受診等証明書の作成を依頼します

月経周期や卵胞の育ち方によって採卵日は変わります。説明会を受けた直後に必ず採卵できるわけではなく、検査結果や医師の判断により、複数周期の検討や実施見送りとなる場合もあります。39歳の方は採卵日時点の年齢が基準になるため、期限ぎりぎりでは間に合わない可能性があります。

対象となる費用と申請期限

主な対象費用

  • ✓卵子凍結に向けた検査
  • ✓排卵誘発のための投薬
  • ✓採卵
  • ✓卵子凍結

登録医療機関が証明する対象額を基に申請します。

対象外となる費用

  • ×交通費
  • ×証明書の文書料
  • ×助成対象外の検査
  • ×上限を超える費用

申請期限

医療行為が終了した時期 申請期限
2026年4月〜12月 2027年3月31日
2027年1月〜3月 2027年6月30日

いずれも厳守と案内されています。申請には医療機関が作成する証明書が必要なため、採卵・凍結後すぐに発行日数をご確認ください。

将来、凍結卵子を使用するときの助成

内容 助成額
凍結卵子を融解して受精を行う生殖補助医療 1回上限25万円
以前に作成した凍結胚を融解して移植する場合 1回上限10万円

対象は夫婦(事実婚を含む)、開始日に妻が43歳未満など別の要件があり、卵子凍結時の助成とは別申請です。

卵子凍結を決める前に知っておきたいこと

凍結する卵子は未受精卵です。将来使用する際は、融解後に顕微授精等を行い、受精・胚発育・移植・着床という段階を経ます。凍結したすべての卵子が融解後に生存し、受精し、妊娠・出産につながるわけではありません。採卵時の年齢は重要ですが、必要な採卵回数や得られる卵子数には個人差があります。

身体的な負担とリスク

  • ✓採卵に向けた自己注射や通院が必要になる
  • ✓卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
  • ✓採卵時の出血・感染
  • ✓麻酔に伴うリスク

保管に関して確認したいこと

  • ✓長期保管の契約内容と保管料
  • ✓更新手続きの方法
  • ✓医療機関が閉院・移転した場合の取り扱い
  • ✓使用期限

年齢に関する学会指針

日本産婦人科医会が紹介する学会指針では、未受精卵子の採取時年齢は36歳未満が望ましいとされ、使用年齢について45歳以上は推奨できないとされています。東京都の助成年齢と、医学的に検討する望ましい時期は同じではありません。

個別の見通しは、年齢、AMH、胞状卵胞数、既往歴などを踏まえて医師から説明を受けてください。

東京ウィメンズクリニックへ相談する際のポイント

相談時には、次の内容を整理してお持ちください。

  • ✓年齢、最終月経開始日、月経周期
  • ✓妊娠を希望する時期
  • ✓既往歴、服薬
  • ✓過去の妊娠・治療歴
  • ✓(東京都の制度を利用する場合)説明会の受講状況、協力承認決定通知書、申請期限

当院が2026年度の登録医療機関であるか、院内で対応する刺激法・麻酔・保管方法・費用、受診等証明書の発行条件は、ご予約時に最新情報をご確認ください。登録日より前に開始した医療行為が対象になるかどうかも、東京都と院内の双方へ確認が必要です。

受診・相談の前に整理しておきたいこと

診察では、最終月経開始日、普段の月経周期、妊娠を希望する時期、過去の妊娠・流産・出産、手術や持病、現在の薬とサプリメント、これまでの検査・治療結果を、分かる範囲で時系列に整理してください。

助成制度を利用する方が併せて確認しておきたいこと

  • ✓住所の異動の有無
  • ✓婚姻状況
  • ✓説明会・ゼミの受講日
  • ✓検査・治療の開始日
  • ✓過去の申請歴

医療情報や制度情報を見るときの注意

検査値や妊娠率は、年齢、治療法、採卵当たり・移植当たりなどの分母によって意味が変わります。インターネット上の平均値を、そのまま個人の見通しとして受け取ることはできません。

また、助成金は審査により決定されるもので、医療機関が受給を保証するものではありません。

この記事は一般的な医療・制度情報を整理したもので、個別の診断、治療指示、法的・行政上の受給判断に代わるものではありません。制度は年度途中でも更新されることがあります。公開時と受診時には、東京都および担当医療機関の最新の案内をご確認ください。

よくある質問

Q39歳なら必ず助成を使えますか?

A年齢は採卵日に18歳以上40歳未満であることが要件の一つです。説明会、協力承認、都内住民登録、登録医療機関など、ほかの要件も満たす必要があります。

Q先にクリニックで検査を受けてもよいですか?

A助成対象となる医療行為は、原則として説明会参加と協力承認決定後に開始します。予約や受診の前に、どの行為から対象判定されるかを東京都と医療機関へご確認ください。

Q2026年度に凍結した場合も最大30万円ですか?

A現行案内では、初年度上限20万円と、2027・2028年度の調査回答分各2万円を合わせて最大24万円となる計算です。年度ごとの要件と事業継続を必ずご確認ください。

Q卵子を凍結すれば、将来必ず妊娠できますか?

A保証はできません。融解、生存、受精、胚発育、着床の各段階で成立しない可能性があり、妊娠時の年齢に伴う母体・胎児のリスクも別に考える必要があります。

Q不妊治療中の採卵にも使えますか?

Aすでに不妊症と診断され、不妊治療を目的に行う採卵・卵子凍結は、この制度の対象外です。不妊治療費助成や保険診療の対象をご確認ください。

まとめ

東京都の卵子凍結助成は、採卵日に18歳以上40歳未満の女性を対象に、凍結年度は上限20万円、翌年度以降は調査回答により年度ごとに2万円を助成する制度です。利用には事前の説明会と協力承認、登録医療機関での実施が必要です。年齢だけでなく、手続きの順序、採卵までに必要な時間、将来の使用時の見通しと費用も含めて検討してください。

不妊検査や治療、卵子凍結、妊娠前の健康管理には個人差があります。この記事の情報だけで検査・治療の開始や中止、薬の変更、緊急性を自己判断せず、気になる症状や検査結果は担当医へご相談ください。

東京ウィメンズクリニックへ相談を検討している方へ

卵子凍結について相談したい方へ

年齢や月経周期、卵巣の状態、将来の希望を確認し、卵子凍結の流れと注意点を整理します。

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参考文献・参考サイト

  1. 東京都福祉局「卵子凍結に係る費用の助成―事業の概要」
    https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/ranshitouketsu/touketsu/gaiyou
    主な使用箇所:対象者、助成額、手続き、登録医療機関、申請期限/最終閲覧日:2026年8月19日
  2. 東京都福祉局「凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成」
    https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/ranshitouketsu/shiyou/gaiyou
    主な使用箇所:凍結卵子を使用する際の助成/最終閲覧日:2026年8月19日
  3. 日本産婦人科医会「(3)生殖補助医療」
    https://www.jaog.or.jp/note/%EF%BC%883%EF%BC%89%E7%94%9F%E6%AE%96%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E5%8C%BB%E7%99%82/
    主な使用箇所:社会的適応による卵子凍結の情報提供と年齢に関する指針/最終閲覧日:2026年8月19日
  4. 厚生労働省・中央社会保険医療協議会「不妊治療の現状と課題」関連資料・議事録
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205879_00213.html
    主な使用箇所:卵子凍結後の出生可能性に関する公的検討資料/最終閲覧日:2026年8月19日

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