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不妊検査・不妊治療に使える助成金は?東京都の制度を解説

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不妊検査・不妊治療に使える助成金は?東京都の制度を解説

この記事を書いたのは

金 南孝 院長
金 南孝 院長
東京ウィメンズクリニック 院長

医学博士、日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、日本生殖医学会認定 生殖医療専門医・指導医、母体保護法指定医、検診マンモグラフィ読影認定医師、乳がん検診超音波検査実施・判定医師

はじめに

不妊検査や不妊治療には、公的医療保険に加えて、東京都や区市町村の助成制度を利用できる場合があります。ただし、「不妊検査と一般不妊治療」「体外受精・顕微授精」「将来に備えるプレコン検査」では制度が別です。さらに東京都の不妊治療費助成は、2026年4月1日以降に開始した治療から対象範囲が拡充されました。受診日や治療開始日によって扱いが変わるため、金額だけでなく対象・開始日の定義・申請期限をセットで確認することが大切です。

この記事のポイント

  • ✓東京都の不妊検査等助成は、不妊検査とタイミング指導・薬物療法・人工授精などを対象に、夫婦1組1回、上限5万円
  • ✓2026年4月1日以降に開始した保険診療の体外受精・顕微授精等は、東京都が1回の治療につき上限15万円を助成
  • ✓保険適用、高額療養費、東京都の助成、区市町村の独自助成は別制度のため、同じ費用の重複給付や申請期限に注意
結論

東京都では、不妊検査・一般不妊治療と、生殖補助医療に対する助成が別々に設けられています。まず「何の検査・治療を、いつ開始したか」を確認し、自分が利用できる制度を切り分けてください。証明書の作成に時間がかかる場合もあるため、治療終了後ではなく、受診前または治療計画の作成時から医療機関と申請方法を確認しておくと安心です。

不妊治療の費用を支える4つの仕組み

不妊治療の費用負担を軽くする仕組みは、主に次の4つに分かれます。

仕組み 内容
① 公的医療保険 2022年4月から人工授精、体外受精、顕微授精などが一定の条件で保険適用
② 高額療養費・付加給付 1か月の自己負担が上限を超えた場合の払い戻し。健康保険組合の付加給付がある場合も
③ 東京都の助成 不妊検査等助成事業/不妊治療費助成事業
④ 区市町村の独自助成 自治体ごとの上乗せ助成

治療内容や年齢、回数、医療機関の届出状況によって保険の対象外となることがあります。先進医療の技術料は原則として全額自己負担です。

助成制度は、支払った費用がすべて戻る仕組みではありません。上限額があり、高額療養費や付加給付金が支給された場合に、その金額が助成対象額から差し引かれる制度もあります。また、文書料、差額ベッド代、交通費などは対象外となることが一般的です。

東京都の不妊検査等助成事業

東京都は、子どもを望む夫婦が早期に検査を受け、必要に応じて治療を開始できるよう、不妊検査と一般不妊治療の費用を助成しています。

項目 内容
助成額 夫婦1組につき1回、上限5万円
対象費用 保険医療機関で行った対象費用(保険薬局での対象となる調剤費も含む)
対象期間 夫婦のうち早い検査開始日から1年間
申請期限 2024年4月2日以降に検査を開始した場合、早い検査開始日から2年以内

主な対象となる検査・治療

  • ✓女性:超音波検査、内分泌検査、感染症検査、卵管疎通性検査、子宮鏡検査など
  • ✓男性:精液検査、内分泌検査、画像検査など
  • ✓一般不妊治療:タイミング指導、薬物療法、人工授精など

対象外となるもの

  • ×体外受精・顕微授精
  • ×第三者を介する検査・治療
  • ×検診目的のブライダルチェック
  • ×検査・治療に直接関係しない文書料

主な要件

  • ✓検査開始日から申請日まで、法律婚または所定の条件を満たす事実婚であること
  • ✓夫婦のいずれかが継続して都内に住民登録していること
  • ✓夫婦のうち早い検査開始日における妻の年齢が40歳未満であること
  • ✓助成対象期間内に夫婦とも対象となる検査を受けること

片方だけの検査や、検査を伴わない一般不妊治療だけでは対象になりません。また、対象期間内であっても、妊娠が判明した時点または体外受精・顕微授精へ移行した時点で終了します。対象期間と申請期限は同じ意味ではないため注意してください。

2026年度に拡充された東京都不妊治療費助成

2026年4月1日以降に開始した治療では、保険診療として行った体外受精・顕微授精と、併用して実施した先進医療にかかった自己負担額について、1回の治療につき15万円を上限に東京都の助成を受けられます。先進医療を行っていない場合でも、保険診療の自己負担額が助成対象になり得ます。

項目 内容
助成額 1回の治療につき上限15万円(高額療養費・付加給付金は控除)
対象者 婚姻関係・住民登録などの要件を満たし、保険診療として体外受精または顕微授精を受け、「1回の治療」の開始日に妻が43歳未満である夫婦
助成回数 開始日に39歳までは1子につき6回まで/40〜42歳は3回まで
所得制限 なし
申請受付 2026年4月1日以降開始分は2026年10月1日から(それ以前の申請は無効)

「1回の治療」の数え方

原則として、1回の移植に向けて治療計画を立てた日から、移植後の妊娠判定または医師の判断による治療中止までの一連の治療を指します。採卵周期と移植周期を別々に数えるものではありません。

対象外となるもの

  • ×全額自費で実施した体外受精・顕微授精
  • ×人工授精などの一般不妊治療

2026年3月31日までに開始した治療は、一連の治療が4月以降に続いていても、原則として従来どおり先進医療費の10分の7、1回上限15万円が助成対象です。制度区分は支払日ではなく治療開始日で分かれます。

保険適用と高額療養費の考え方

保険診療では、窓口負担は通常3割ですが、1か月の自己負担額が所得区分ごとの上限を超えた場合、高額療養費の対象になることがあります。加入する健康保険組合によっては、さらに付加給付が設けられている場合があります。

東京都の2026年度拡充分では、これらの給付を差し引いた後の自己負担額と15万円のいずれか低い額が助成されます。

考え方の例

保険診療の自己負担が12万円、先進医療が3万円で、高額療養費等の支給がなければ、合計15万円が助成上限内に収まります。一方、保険診療の自己負担に対して後から高額療養費が支給される場合、その支給額を含めて二重に受け取ることはできません。

見込額が分からないときは、加入先の健康保険へご確認ください。

申請前に確認したい手順と注意点

1開始日を確認する
検査開始日、または「1回の治療」の開始日を特定します
2医療機関の要件を確認する
対象となる保険医療機関・先進医療実施医療機関かを確認します
3受診等証明書の作成を依頼する
発行までの日数と文書料も併せて確認します
4必要書類をそろえる
住民票、戸籍全部事項証明書、健康保険の資格情報など
5申請する
原則として電子申請を行います

申請期限

制度 申請期限
不妊検査等助成 2024年4月2日以降開始分は、検査開始日から2年以内
不妊治療費助成 原則として治療終了日の属する年度末3月31日まで
(1〜3月に終了し3月末までに提出できない場合は同年6月30日までの特例あり)

必要書類が期限に間に合わない可能性がある場合も、期限前に東京都へ相談し、用意できる書類を期限内に提出することが重要です。

区市町村の上乗せ助成について

区市町村が独自に上乗せ助成を行っている場合がありますが、対象、居住期間、都制度の決定通知が必要かどうか、申請順序は自治体ごとに異なります。東京都の制度に申請しただけで、自動的に区市町村の助成も受けられるわけではありません。

東京ウィメンズクリニックへ相談する際のポイント

助成制度の利用を考えている方は、初診時に次の情報が分かるものをお持ちください。

  • ✓住所地
  • ✓婚姻状況
  • ✓夫婦それぞれの検査歴
  • ✓過去の助成利用回数
  • ✓今回の検査・治療開始日
  • ✓加入している健康保険(高額療養費・付加給付を利用する可能性がある場合)

当院で実施する検査・治療のうち何が助成対象になるか、受診等証明書の発行方法・文書料・所要日数、先進医療の実施状況は、ご予約時に最新情報をご確認ください。助成の最終判断は東京都または各区市町村が行うため、個別の受給可否は申請窓口へお問い合わせください。

受診・相談の前に整理しておきたいこと

診察では、最終月経開始日、普段の月経周期、妊娠を希望する時期、過去の妊娠・流産・出産、手術や持病、現在の薬とサプリメント、これまでの検査・治療結果を、分かる範囲で時系列に整理してください。

助成制度を利用する方が併せて確認しておきたいこと

  • ✓住所の異動の有無
  • ✓婚姻状況
  • ✓説明会・ゼミの受講日
  • ✓検査・治療の開始日
  • ✓過去の申請歴

医療情報や制度情報を見るときの注意

検査値や妊娠率は、年齢、治療法、採卵当たり・移植当たりなどの分母によって意味が変わります。インターネット上の平均値を、そのまま個人の見通しとして受け取ることはできません。

また、助成金は審査により決定されるもので、医療機関が受給を保証するものではありません。

この記事は一般的な医療・制度情報を整理したもので、個別の診断、治療指示、法的・行政上の受給判断に代わるものではありません。制度は年度途中でも更新されることがあります。公開時と受診時には、東京都および担当医療機関の最新の案内をご確認ください。

よくある質問

Q不妊検査だけでも助成を受けられますか?

A東京都の不妊検査等助成は、夫婦ともに対象となる不妊検査を受けることが要件です。夫婦の一方だけが検査を受けた場合は対象になりません。

Q人工授精はどの助成制度の対象ですか?

A人工授精は不妊検査等助成事業の一般不妊治療に含まれ得ます。一方、2026年度に拡充された1回上限15万円の不妊治療費助成は、保険診療の体外受精・顕微授精等が対象で、人工授精は対象外です。

Q治療費を支払った日が2026年4月以降なら新制度ですか?

A支払日ではなく、原則として1回の移植に向けて初めて治療計画を立てた日で判断します。2026年3月以前に開始した一連の治療は、4月以降に続いても旧区分です。

Q区の助成金と東京都の助成金は両方使えますか?

A併用できる場合がありますが、同一費用の扱い、申請順序、都の決定通知の要否は自治体ごとに異なります。住所地の区市町村へご確認ください。

Q領収書は捨てても大丈夫ですか?

A制度により提出不要の場合でも、照会や区市町村の上乗せ申請で必要になる可能性があります。明細書とともに、助成決定まで保管してください。

まとめ

東京都では、不妊検査・一般不妊治療に上限5万円、生殖補助医療には2026年4月1日以降開始分から1回上限15万円の助成があります。ただし、対象・年齢・回数・開始日の考え方・申請期限が異なります。「検査や治療を始めてから制度を探す」のではなく、開始前または治療計画作成時に確認することが、申請漏れを防ぐポイントです。

不妊検査や治療、卵子凍結、妊娠前の健康管理には個人差があります。この記事の情報だけで検査・治療の開始や中止、薬の変更、緊急性を自己判断せず、気になる症状や検査結果は担当医へご相談ください。

東京ウィメンズクリニックへ相談を検討している方へ

不妊検査・治療費について相談したい方へ

現在の検査・治療段階を確認し、利用できる可能性のある制度と必要な準備を初診時に整理します。

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参考文献・参考サイト

  1. 東京都福祉局「不妊検査等助成事業の概要」
    https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/funinkensa/gaiyou
    主な使用箇所:対象、上限額、年齢・婚姻要件、対象期間、申請期限/最終閲覧日:2026年8月19日
  2. 東京都福祉局「東京都不妊治療費助成事業の概要」
    https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/josei/funin-senshiniryou/gaiyou
    主な使用箇所:2026年度拡充、対象治療、助成額、回数、申請期限/最終閲覧日:2026年8月19日
  3. 東京都福祉局「不妊治療費助成制度Q&A」
    https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/fukushi/2026-03-26-145141-916
    主な使用箇所:助成額の計算、高額療養費、年齢・回数/最終閲覧日:2026年8月19日
  4. 厚生労働省「不妊治療に関する取組」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/funin-01_00004.html
    主な使用箇所:不妊治療の保険適用/最終閲覧日:2026年8月19日
  5. 厚生労働省「先進医療の概要について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/sensiniryo/index.html
    主な使用箇所:先進医療費の自己負担と保険診療部分の扱い/最終閲覧日:2026年8月19日

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